やけどの正しい治し方(4)残った傷痕をいかに改善できるか

やけどをしたら早めに医療機関を受診すること

 やけどが治った後、皮膚に残る色と傷痕はまったくの別物だ。「炎症後紅斑」や「炎症後色素沈着」と呼ばれる赤みや茶色は基本的には治るが部位によって消えるまでの時間が違う。傷痕は瘢痕(はんこん)組織、いわゆるケロイドと呼ばれる組織によってのみ修復されるため、消えることはない。

 できる限りやけどの傷痕を改善させるためにも、やけどをしたら早めに医療機関を受診したほうがいい。

「やけどをした時、一番やってはいけないことは、いろいろな自己処置を行った挙げ句に状態を悪化させることです。治らないものを無理やり自分で処置して、感染させて……。特に手の指では、『拘縮(こうしゅく)』といって指が伸びなくなったり、動かなくなったりする機能障害を起こすケースもあります。治療で深度を浅くすることはできませんが、不適切な処置によって深くすることはいくらでもできるんです。ですから、ちょっとマズいかもと思ったら、すぐに医療機関、できればやけどに慣れている医師に診てもらったほうがいいでしょう」

 やはり、自己判断でやけどした患部を覆う「ラップ療法」はやめておきたい。(おわり)

2 / 2 ページ

関連記事