「従来の治療では、例えば炎症にはステロイド外用薬、乾燥肌には保湿剤、かゆみには抗ヒスタミン薬というように、それぞれ対策が異なりました。一方、昨年9月から生後6カ月以上に使えるようになったデュピクセントは、炎症、乾燥肌、かゆみ全てに関連するタンパク質IL-4、IL-13をブロックする作用があります」(大塚医師=以下同)
成人を対象にした治験になるが、デュピクセントとステロイド外用薬を用いた群は、16週目で、世界的に頻用されるアトピー性皮膚炎評価指標EASIスコアにおいて75%達成率(75%改善)が68.9%だった。なお、プラセボ(偽薬)+ステロイド外用薬では23.2%。
「私が診ていた16歳の患者さんはステロイド外用薬でアトピー性皮膚炎がなかなか良くならなかった。デュピクセントを使い始めたところ、かゆみがなくなってかき傷が良くなり、6週間時点では皮膚のゴワゴワはまだ完全に改善しないものの、赤い湿疹がきれいになくなりました」