「機能障害」や「能力障害」の回復の指標として使われるのが「FIM(機能的自立度評価法=している能力の指標)」と「BI(バーセルインデックス=できる能力の指標)」です。前回に続き、リハビリ治療におけるFIMの使い方について詳しく解説します。
リハビリの進行状況を把握できるFIMは「セルフケア」と「交流・社会的認知」で評価します。「セルフケア」の評価は以下に挙げた13項目で行い、リハビリを開始して最初の1カ月でほぼすべての項目が向上しますが、回復パターンにはある程度の傾向があります。
セルフケアにおいて1カ月で改善しやすい動作(項目)は、食事、整容、上半身更衣、排尿、排便、ベッド移乗です。次に、下半身更衣、トイレ移乗、トイレ動作が回復してきますが、重症例では介助がなくなるまでに3カ月以上を要します。
最も回復に時間を要するのが、入浴洗体、風呂移乗、歩行、階段昇降の項目で、重症例では介助がなくなるまでに6カ月以上を要することも珍しくありません。
正解のリハビリ、最善の介護