以前、機能と能力を回復させる攻めのリハビリでは、「脳の画像診断」が重要だとお話ししました。脳卒中などで脳に損傷がある場合、適切なリハビリ計画を立てるには、脳の画像から「どこまで回復するのか」「どんな障害が残ってしまうのか」といったことを判断する必要があるからです。
ただ、脳の画像診断が重要なのは、脳に損傷がある患者さんだけではありません。骨折や脊椎の手術後に来院される運動器疾患の方や、肺炎などさまざまな手術後の廃用症候群で来られる患者さんでも、脳の状態でそれぞれ回復の度合いが異なるからです。
リハビリへの意欲があり、訓練治療や自主訓練を繰り返せる患者さんは良くなります。しかし、そうではない場合は回復が難しい現実があります。脳の画像診断によって、それらをある程度は判別することができるのです。
リハビリ治療による人間力の回復には、①年齢②脳の状態③発症前の筋力・体力・認知機能の状態④今回の病巣⑤発症後の廃用症候群の有無が影響します。
正解のリハビリ、最善の介護