FIMは“している能力”の評価で、BIは“できる能力”の評価になります。ですから、当然、FIMの値は低くなります。とりわけ、認知症や精神・高次脳機能障害が重度である場合は、本人が何もしようとしないため、FIMは非常に低くなってしまいます。
FIMは「セルフケア」と、「交流・社会的認知」で評価します。セルフケアの評価は、食事、整容、入浴洗体、上半身更衣、下半身更衣、トイレ動作、排尿、排便、ベッド移乗、トイレ移乗、風呂移乗、歩行、階段昇降という13の運動項目で行います。なぜ、この13項目が重要かというと、これらの運動項目を自分でできれば、介助がなくても自宅退院が可能になるからです。
一方、交流と社会的認知の評価は、理解、表出、社会的交流、問題解決、記憶の5項目の認知項目で行います。
これらの項目は、独居での自宅退院の時に特に重要です。生活支援者と言語で交流できるか、穏やかに必要な社会的交流ができるか、困った時に自分で解決できるか、もしくは相談できるか、生活に必要なことが記憶できるかなどの認知能力を評価します。
正解のリハビリ、最善の介護