リハビリ治療では、これらの能力を向上させていきます。そのためには、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師のチームの力が必要です。
主治医や担当スタッフは、これらの能力がリハビリ治療によりどのような時間経過で回復するのかを知っておくことが極めて重要です。
まず、基本的に最初の1カ月間でFIMもBIもほぼすべての項目が向上します。たとえば脳卒中では、入院から1週間が最も回復する期間であるケースが多く、そこから1カ月は大きく改善していきます。このため、軽症例は1カ月で自宅退院となります。
もしも最初の1カ月間で良好な向上傾向がない時は、「回復する可能性がない」あるいは「治療がうまくいっていない」と判断できます。その場合は非常に心配な状態です。リハビリ治療の見直しが必要になるケースもありますから、主治医に確認したほうがいいと思われます。
次回、リハビリ治療におけるFIMとBIの使い方について、さらに詳しくお話しします。
正解のリハビリ、最善の介護