ただ、救急を担当している医師がそれを知らなかったり、忘れていたりすると、アッという間に20分くらい時間が経ってしまいます。中には、わかっているのにダラダラしている医師もいます。また、たまたま救急の当直をアルバイトの医師や看護師が担当していた場合、何をやらなければいけないかまったくわかっておらず、救急車が止まりっぱなしになってしまうケースもあります。あってはならない事態です。
救急搬送の際、救急隊は患者さんの容体を見て適切な処置を行えるレベルの医療機関を5~6カ所くらいピックアップし、同時に連絡を入れるものです。それに対し、二つ返事で受け入れる医療機関に搬送します。かつての順天堂医院はベッドの確認などで3分くらい救急隊を待たせたり、受け入れを断って他の医療機関に回してもらうことも少なくありませんでした。また、いったん受け入れても、搬送してくれた救急車で再び他の医療機関に転院させるケースもありました。これは公共の救急車の本来の使い方ではありません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」