一方、右脳損傷による精神・高次脳機能障害では、言語は良好でも社会的交流や問題解決の回復が難しく、自宅退院後に増悪するケースがありますので注意が必要です。これは自宅復帰後に脳への情報量が莫大に増加するためです。ですからこうしたケースでは、信頼できるリハビリ主治医との退院後の連携が重要になります。感情障害が強く生じた時は内服治療を要することもあります。
■チームの連携が重要
介助がなくても自宅退院ができるかどうかの判断材料になるのはFIMの項目の点数です。このため、これらのFIMの項目を誰が治療するのかが大切です。主治医は、それぞれの役割をチームのメンバーに振り分け、毎月の目標を立てます。ほぼすべての動作に介助が必要な状態から、できる限り介助量を減らす。そして、見守り(準備のための援助が必要だが手を触れなくてもできる)、修正自立(補助具があればできる)、自立(何も使用せずにできる)としていく。それを実践するのがリハビリチームなのです。
正解のリハビリ、最善の介護