介護の現場

風呂は毎日でも入りたいけど支払いを思うと諦めています…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 毎日の食材や、日用品などの買い物はどうしているのか。

 古川さんの場合、区役所に申請して荷物を載せたり、疲れたら座れるような車椅子を借りている。この車椅子に寄りかかる姿勢で週に1度か2度、ゆっくりと近所のコンビニに向かう。

「私が住む住宅では、老齢者のひとり住まいが多くなっています。『見守り隊』というのでしょうか、たまに部屋を訪ねてきて声をかけてくれるボランティアの方がおります。でも近年、救急車が来る回数が増えました。部屋で転んだとかで助けを求める、そういう人が増えているのでしょうね。明日はわが身ですけど……」

“今はただ生きているだけ”という古川さん。目の前の不幸はわかっていながら、手の打ちようがない。日本は総下流老人社会の中での老老介護が広がっている。

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