天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

禁酒と腸内環境の改善で手術が楽に

 今年に入ってからずっと禁酒を続けています。それまでは、週に2度くらい、好きなワインをグラスに2~3杯、たしなむ程度には飲んでいました。最近はお酒の席に呼ばれる機会も減り、禁酒する下地が整っていたところに尿路結石が発覚したことで、きっぱりやめてみようと思い立ったのです。これまで、アルコールが入っているタイミングで救急の患者さんが運ばれてきたときは、部下に緊急の対応を任せていました。いまは自分が対応することが多くなりました。

 禁酒に加え、3カ月ほど前から腸内細菌のバランスをコントロールするためにビオフェルミンも飲み始めました。腸内環境を改善すると、さまざまな病気のリスクが軽減されたり、イラ立ちが抑えられ精神的にも安定すると、同僚医師に勧められたことがきっかけです。このところ、各方面で腸内細菌が大きくクローズアップされているのをみて、自分の判断は間違っていなかったなと思います。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。