「平均寿命」というのは、0歳の人がどれくらい生きるかを示す指標です。それに対し「平均余命」という指標があります。これは、たとえば50歳の人が残り平均何年生きるかを示したもので、2013年のデータでは31・92歳となっており、50歳の人は平均81・92歳まで生きるということです。
平均寿命だけでなく、平均余命を眺めてみると、さらにさまざまなことがわかります。たとえば85歳の男性の平均余命を見てみましょう。6・12歳とあります。85歳の男性は平均91・12歳まで生きるということです。別の見方をすれば、91歳くらいまでには半分の人が亡くなるということでもあります。6年生存率が50%というわけです。
これに対して、進行がんの人の生存率を見てみましょう。たとえばステージⅢ、つまり遠隔転移はない進行した胃がんの5年生存率は40~50%です。つまり、85歳の誕生日を迎えるということは、進行胃がんの宣告を受けたくらいの平均余命か、それより少し長いくらいの寿命だというわけです。
医療数字のカラクリ