医療数字のカラクリ

がん患者の“生存率” 誰を対象に計算すればいいのか?

 そう考えると、これから抗がん剤治療を受けるという患者での生存率は全員を対象にしたときの「1年後の全体の生存者は35人だから35%」と計算するのがいいでしょう。また、「抗がん剤治療を無事終えた人では50%」というほうが正確です。もちろん、その数字もまたこれから抗がん剤を受ける個々の患者さんに当てはまるかどうかわからない、平均値にすぎません。

 生存率の評価は誰を対象にするかによって難しいというわけです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。