医療数字のカラクリ

真実か都市伝説か…「新月の夜は犯罪が多い」の真偽

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 昨年秋に発行された「天文犯罪医学」という雑誌に、「新月の夜には犯罪が多い」という論文が発表されました。皆さんはこれをどう考えるでしょうか。

 “新月で暗いため犯罪が起きやすいのかも”“街路灯を増やして明るくして犯罪を減らさないと”などと考えるかもしれません。

 しかしこの論文を調べてみると、そもそも新月に犯罪が多いというのも怪しいものです。

 たとえば満月の時と比べたデータと比較はされておらず、「新月には犯罪が多い」という先入観のもとに、新月の時だけパトロールして検挙された犯罪件数だけを調べているのです。

 少なくとも毎日パトロールして、そのうえで新月とそれ以外の時で犯罪件数を比べるということをしなければ、新月と犯罪件数の増加が関係しているということすらわかりません。「街を明るくすれば犯罪が減る」というのもハッキリしません。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。