Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【西川きよしさんのケース】まずはPSA検査で治療のタイミング探る

西川きよし(C)日刊ゲンダイ

 放射線治療には、体の外から照射する外部照射と前立腺に放射性物質のアイソトープを埋め込む内部照射があります。寛平さんは5週間の外部照射の後、内部照射を受けたそうです。がんの進行が遅いからこそ、その人がどういう生活を送りたいかによって、治療法を選択することが大切なのです。

 前立腺がんに影響する男性ホルモンは、コレステロールを材料に合成されます。日本人の肉の摂取量はこの半世紀で10倍に増え、食の欧米化が進みました。それが、前立腺がん急増の一因ですから、肉や脂っこい食事を控え、適度に運動することは、前立腺がんの予防になります。メタボ予防は、前立腺がんの予防にもなるということです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。