医師もほとんど知らない「がん最先端放射線治療」の実力

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「放射線単独で行った時の3倍の効果になると報告されています。過酸化水素の安全性が高いことも利点です」

 7センチの乳がんが見つかってコータック治療を受けた55歳の女性患者は、1年3カ月経った今でも画像検査でがんは認められていない。柏原院長は手術や抗がん剤が適している患者にはその説明を十分にするが、「それでも手術は嫌だ」と言う患者には、コータック治療という選択肢があることを伝えるという。

【少数個転移がんに対するモグラ叩き療法】

 かつては「がんが大きくなることで転移する」と考えられていた。となると、「転移がんが見つかった=全身に転移がんが散らばっている可能性があり、長期予後が悪い」という考えに至る。しかし、最新の研究で「そうといえないのでは」という考えが出てきた。

「少なくとも転移がんが数個しか見つからないなら、その数個以外は“悪さ”をするまでは時間がかかるとみなし、まずは見つかった転移がんを放射線治療で確実に叩く。そして、次の転移がんが出てくればまた叩く。これが“モグラ叩き療法”と呼ばれている治療です」

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