病気リスクも減らす可能性 「遺伝子検査」の正しい使い方

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「人が持つ23組の染色体には塩基が30億対あり、その中の数百カ所には塩基配列の違いがあります。これが顔つきや病気のなりやすさという個人差になります。このうち、1カ所の塩基配列の異常により病気が発生する場合を『単一遺伝子病』と呼びます。自分の意思と無関係に体が動き、認知障害が表れるハンチントン病は、第4染色体の遺伝子に通常は見られない塩基配列があります」(都内の大学病院勤務医)

■結果に一喜一憂する必要なし

 他に遺伝性乳がんや卵巣がんの原因遺伝子が有名だ。米国の有名女優、アンジェリーナ・ジョリーがこの2つの遺伝子の変異を見つけたことで、将来のがんに備えて乳房を切除したことを覚えている人も多いだろう。

 一方、単一遺伝子病以外を「遺伝子多型」と呼ぶ。

「遺伝子検査は、DNAから遺伝子を分析し、塩基の配列などを調べます。現在、医療機関で行われているのは、乳がん検査や母親のお腹の中にいる赤ちゃんの遺伝性の異常を調べる出生前検査、薬が効きやすい体質かを調べる検査など。民間機関が行うのは、発症リスクは高くないものの、多くの人が持っている疾患感受性遺伝子多型の検査です」(前出の大学病院勤務医)

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