重大病の“サイン”かも…高齢者の「むくみ」を甘く見るな

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 高齢者は血流が滞りやすいため、普段から6時間以上同じ姿勢でいることは避けたい。

 ある程度、体を動かしているのに足がむくんでいるという人は、他の病気の疑いがある。

■「よくあること」とは考えない

 まずは、心臓、腎臓、肝臓といった重要臓器の機能障害によるむくみに注意したい。

「最も危険なむくみは『心不全』によるものです。両足がむくんで、歩くと息切れ(労作時息切れ)が起こります。心臓に障害が起きて静脈全体の圧力が上昇し、静脈から筋肉やリンパに水分などが漏れ出してむくみが生じます。死に直結する病気なので、兆候が見られたらすぐに病院で診察を受けてください」

 腎障害によるむくみも深刻だ。これは両足だけでなく、体全体がむくむという。

「高血圧や糖尿病を長期間放置したり、過度の疲労などで腎臓に負担をかけ続けると、腎障害が起こります。すると、腎臓での水分排出のコントロールがうまくいかなくなり、体がむくむのです。腎臓病自体は、一般的にはゆっくりと進行して最後に腎不全から透析に至るもので、直ちに死に直結することはありませんが、タンパク質を尿から大量に失ってむくみが起こる『腎症・ネフローゼ症候群』が突然発症した場合は注意が必要です。腫瘍随伴症候群の可能性が高く、とくに肺がんが疑われます」

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