しかも、入院生活の中盤からは仕事もしていました。初めはNHKのラジオ出演。そして、病気を発症した例の自主映画の撮影もありました。さらに、12月にはNHKの生放送の歌番組「わが心の大阪メロディー」で、大阪まで行ったんです。ステージを歩くためにリハビリにも熱が入りました。
ただ、一番大きなモチベーションになったのは、「大好きなレストランで食事をしたい」という気持ちでした。「のんとろっぽ」という世田谷のお店なんですが、2階にあるので「何としても、あの階段を上るんだ!」と頑張ったんです。実際、10月には外出許可をもらって食べにいきました。まあ、赤ワインを飲みにいったとも言えますが(笑い)。もちろん許可はいただいてますよ。「飲み過ぎない程度にリラックスしてきてくださいね」と。
泣いていても笑っていても同じように時間が過ぎるのなら、笑っている方がいいと思うんです。リハビリも仕方なくやるんじゃなく、前向きにやった方が絶対に効果が出やすいはず。まだリハビリは必要ですが、この経験は絶対にお芝居に生かせると思っているので、これからが楽しみです。
独白 愉快な“病人”たち