夏の紫外線でリスク増 失明する目の病気に中高年は要注意

都会のサラリーマンが危ない(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 網膜色素変性症にも注意が必要だ。

「目の中で光を感じる網膜に異常が起きる遺伝性の病気で、日本では10万人に18.6人がいるといわれています。最初は暗い所で物が見えにくくなり、やがて視野が欠け中心を残して見えなくなります。最悪、失明します。紫外線が病気の進行を助長することが分かっています」

■レンズが濃すぎるサングラスは逆効果に

 発症年齢は個人差があり、若い頃に相当進行している場合や40歳になって初めて自覚症状を感じるケースもある。

 同じ時間、紫外線を浴びたとすると、紫外線による目の病気のリスクは田舎より都会の方が高いかもしれない。紫外線がアスファルトやビルの壁面などに反射して目に入るとされているからだ。

 金沢医科大学などの調査によると、ビルの多い東京・神田で、太陽の正面を向いたときに目に入る紫外線量と、背を向けた場合とを比べたところ、午前中から正午にかけては後者は前者の60%程度だったが、夕方4時くらいには164%となり、太陽の正面を向いたとき以上に紫外線量が多かったという。同じ調査を金沢医大の屋上で行ったところ、背面時の目の紫外線量は午前11時から午後1時の30%がピークで、それ以外の時間は10%程度だったという。

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