独白 愉快な“病人”たち

診断に7年…漫画家・島津郷子さんとパーキンソン病の闘い

「また漫画が描けるようになったことがうれしかった」と語る島津さん(C)日刊ゲンダイ

 でも、行く先々で診断されてきたのは心身症、うつ、不安神経症、脅迫神経症、解離性障害……。精神科病棟を退院した後もそれは続きました。しかも、「パーキンソン病の権威」といわれる医師の診断でもパーキンソン病の疑いを否定されてしまったのです。それがまるで“お墨付き”のようになって、ほかの病院で半月以上入院してつらい検査をしても、同じ結果しか出ませんでした。

「あの権威ある医師に認めてもらわない限り、どこへ行ってもダメなんだ」と悟った私は、その医師に手紙を書いて再度受診しました。手紙にしたのは医師を目の前にするとうまく話せそうもなかったから。内容は、発症の時期や症状の詳細、なによりマドパーが効いているという事実を訴えるものでした。ちょうど先生が手紙を読んでいる最中に薬が切れて、目の前で震えが始まったことも功を奏し、やっとパーキンソン病と認められたのです。

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