独白 愉快な“病人”たち

星奈津美さん バセドー病乗り越え知った「練習できる幸せ」

「病気を通して成長できた」と語る星奈津美さん/(C)日刊ゲンダイ

 甲状腺の数値を見たら、前回よりも1.5倍ほど高い数値になっていたんです。指示通りに投薬も続けていたのですが、「ストレスなどによって体調が変化することがある」と説明を受けました。さらに、「薬を増やして、無理はしないでください」と言われましたが、その頃はリオまで1年8カ月しかない時期でした。母に電話をかけ、「無理をしないなんて無理……ストレスだってかかるに決まっている」と訴えながら泣いてしまいました。

 それでも、母は冷静に「ほかに治療法があるかもしれないから、病院に戻って話を聞いてきなさい」と言ってくれました。その言葉に励まされて病院に戻り、先生に気持ちを伝え「私には時間がない」と訴えたんです。

 その結果、先生が提案してくださったのが手術でした。「手術をすれば、1カ月ぐらいで復帰できる」と言われました。それまで手術はリスキーだと思っていたのですが、「早く手術をして治したい」という気持ちが強く、3週間後に手術を受けました。幸いなことに回復も早くて5日で退院でき、1カ月後にはプールに戻れました。

2 / 5 ページ

関連記事