投与で進行リスク2割減 乳がん治療薬に新たな「第1選択」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近、乳がん治療で新たな薬が初回治療から使用可能になった。愛知県がんセンター中央病院・乳腺科部長の岩田広治医師に聞いた。

 乳がんの治療法は一般的に、「手術」「放射線療法」「薬物療法」。このうち薬物療法は、「ホルモン療法」「抗がん剤療法」「抗HER2療法」があり、患者の乳がんが3つの要素で分類される「サブタイプ」のどれに該当するかで、どの治療を選ぶかが決まる。サブタイプによって、がん細胞の性質が異なるからだ。

 3つの要素とは「ホルモン受容体」「HER2(がん細胞の表面のタンパク質)」「Ki67値(がん細胞の増殖活性)」。サブタイプは、これらの組み合わせで6種類あるが、ホルモン受容体が陽性の乳がんが最も多く、患者全体の80%以上を占める。ホルモン受容体が陽性の場合、「ホルモン療法単剤」あるいは「ホルモン療法+抗がん剤」が検討される。

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