天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

30年後も問題ないのはエビデンスにのっとった手術の賜物

順天堂大学医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 21年前、57歳のときに心筋梗塞を起こし、私が冠動脈バイパス手術を執刀した患者さんがいます。78歳になりますが、いまも“現役”の個人タクシーの運転手として活躍されていて、ゴルフに行く際に送迎をお願いしたこともあります。ご本人は「80歳までは現役でやりたい」とまだまだ意気軒高です。

 外科医はエビデンスにのっとった誠実な治療を行い、こうした堅実なリフォームで得られた健康寿命を謳歌できる患者さんをひとりでも多く増やしていかなければならないのです。

4 / 4 ページ

天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。