末期がんからの生還者たち

上咽頭がん<2>手術は痛そうだから抗がん剤を選択

死についても考えた(C)日刊ゲンダイ

 家族間で意見の対立もあったが、治療法の選択肢は、やはり担当医の意見に沿うことになる。 

「担当の先生が説明するには、漢方薬治療は治療期間が長くなること。ステージ4の一般的な治療は化学療法が中心。手術は成功率が五分と五分。丸山ワクチンは自由診療になる、ということでした」(高橋さん)

■死についても考えた

 ちなみに、「上咽頭がん・ステージ4」の5年生存率は、47・5%(「全国がんセンター協議会」2014年10月集計)である。

 生きるか、死ぬか。半々の確率だが、「どうも根治治療といっても手術は痛そうだし」(高橋さん)と、治療法は「化学療法」を選択した。

 東京医科歯科大学の入院病棟に、2カ月間入院した。最初の1カ月間は毎日、約30分間、顔にマスクをつけ、首のリンパ節を含む広範囲な放射線治療を受けたのである。

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