久田さんは、自分が前日ネット検索で見つけた最悪の病名を否定して欲しくて、「慢性骨髄性白血病ではないかと思っています」とぼそっとつぶやいた。
「たぶん、そうでしょう」 医師の返事に迷いは感じられなかった。
骨髄で血液をつくる過程で、白血球が何らかの遺伝子異常を起こし、がん化して増殖する「慢性骨髄性白血病」は1年間に100万人中7~10人の割合で発症するという当時は治療が難解な血液のがんだ。
その後の精密検査から2週間ほど経て、久田さんは正式に「慢性骨髄性白血病」と医師から告知された。
末期がんからの生還者たち