■脱水が危ない
ノロウイルスは激しい下痢や嘔吐が何日も続きます。そのため、特に脱水症状に注意する必要があります。心臓は脱水にめっぽう弱く、弱っている心臓ほど、体内の水分が不足すると血液を送り出す力が低下します。血液の粘度が上がって流れにくくなるため、ポンプである心臓はそれだけ大きな力が必要になり、負担が増大するのです。
血液がドロドロになるため、血管が詰まりやすくなったり、血栓もできやすくなります。とりわけ、心臓手術を受けた後や不整脈治療のために抗凝固剤を飲んでいる人は、脱水を起こすとさらに血栓ができやすくなるため、注意してください。
もともと心臓疾患を抱えている人はもちろん、脱水を引き起こすノロウイルスへの感染が誘因になり、心臓疾患を発症したり、突然死を招く可能性もあるといえます。それだけ、ノロウイルスによる脱水には注意する必要があるのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」