当院でも、心臓の手術を控えて入院していた患者さんがノロウイルスに感染し、1週間ほど手術を延期したケースがあります。
当然のことですが、そのまま手術すると合併症を起こすリスクが高いからです。その患者さんに対しては、感染を拡大させない対処をして、脱水にならないように細心の注意を払い、ウイルスが完全に排出されるまで待ちました。
また、私自身もノロウイルスに感染して予定していた手術を取りやめた経験があります。これまで35年以上、心臓外科医をやってきて、手術を回避したのはノロウイルスに感染した時と、尿管結石になった時の2回だけです。
ノロウイルスによる下痢と嘔吐は想像以上にひどいもので、完全に寝込みました。判断力にも問題が出るような状態で、あれでは患者さんに対してベストな医療を提供できるはずもありませんでした。それくらい、きつい症状に見舞われました。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」