「それでも、自分で予想すらしていない些細なことがきっかけになり、『治るかもしれない』と思ったりしたのです。私は変ですよね? こんな話は、他の患者さんには役に立たないでしょうね」
Bさんは笑顔に涙を浮かべながら、こう続けました。
「がんが再発して先生から治る可能性は少ないと言われ、つらいことがいっぱいありましたけど、いまこうして治って元気でいられます。本当に良かった」
人は深く沈み、たくさん悩んでも、まったく関係がない些細なことがきっかけで、気分が変わることもある。もしかしたら、それで人は生きていけるのかもしれない。Bさんのお話を聞きながら、そう思いました。
がんと向き合い生きていく