大腸がんは“右側”が危ない 世界中の研究者・専門医が注目

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大腸がんの罹患比率も下行結腸から直腸までを合わせた左側の大腸がんは7割を占める。がんの発見のしやすさも違う。

「便が液状になっている右側はがんが発見されにくく、便が固形の左側は腸閉塞などが起こりやすく発見されやすい。それが予後の違いの原因のひとつになっています」

 大腸がんの左右差については以前から世界中の大腸がんの研究者や専門医が関心を寄せている。とくに一昨年5月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会は注目された。

 進行性大腸がんの患者1140人を対象に、最初にできたがんが大腸の左側か右側に分け、通常の抗がん剤治療に加えて、抗VEGF抗体ベバシツマブ、抗EGFR抗体セツキシマブを追加した際の効果が報告されたからだ。

 それによると、全生存期間中央値が左では33・3カ月に対して右が19・4カ月と大きな差が見られた。さらに、右はベバシツマブ、左はセツキシマブを使った場合、生存期間延長が確認された。

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