独白 愉快な“病人”たち

子宮体がん手術翌年に世界一 矢澤亜希子さん語る壮絶治療

プロフェッショナル・バックギャモン・プレーヤーの矢澤亜希子さん(C)日刊ゲンダイ

 それでも12年の秋、次第に悪化する体調不良から少しでも楽になりたいという思いから、近所の婦人科クリニックを訪ねました。すると、問診と検査でがんの可能性を疑われ、翌月には再検査。そして、そこから紹介された大きな病院でさらに検査をした結果、「子宮体がんステージⅢc」が見つかったのです。

■手術を選択できたのは「バックギャモン」のおかげ

 治療方針が手術と抗がん剤だと決まったのが年明けの1月半ばで、手術は3月初旬でした。

 手術前には、手術の内容や抗がん剤の副作用、治療後の体の変化などの説明がありました。例えば、卵巣を取れば更年期障害の症状が出るとか、万が一には人工肛門になる可能性もあることを聞かされました。子供を産めないという人生プランの崩壊により明るい未来が見えなかったので、「そんなつらい思いと危険を冒して手術する価値があるのだろうか?」と悲観しました。正直、「治療を受けずにこのまま人生を終えてもいい」という考えに傾いていました。

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