生活と健康 数字は語る

85歳以上で肥満の割合が減少 痩せの割合が大きく上昇する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 肥満者の増加が明らかでない中、痩せや低栄養傾向の者の割合は女性で増加し、85歳以上の高齢者で男女とも高くなっています。しかし、肥満者に対する痩せるための情報というのは世の中に満ちあふれていますが、痩せを問題にしている場面にはあまりお目にかかりません。データは肥満者より痩せや低栄養傾向の方が問題であることを示しているにもかかわらず、そういう状況です。

 現在の日本においては、肥満の問題より、女性と超高齢者の痩せの問題のほうが重要かもしれません。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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