独白 愉快な“病人”たち

悪性リンパ腫と闘う垣原賢人さん「怖くて仕方がなかった」

垣原賢人さん(C)日刊ゲンダイ

「もう仕事ができなくなるのではないか」

 2015年、43歳の時に「悪性リンパ腫」の告知を受けて、まず最初にそんな不安が頭をよぎりました。

 以前から、そけい部やわきに複数のしこりができていることは認識していました。

 告知を受ける直前には、わきのしこりがゴルフボール大くらいまで肥大していて、アームカールというわきを絞って行う腕のトレーニングをすると、“何か挟んでいる”という感覚がずっとあったんです。「何か嫌だな」と気になってはいたのですが、仕事の予定が詰まっていたので、病院に行くことを先送りにしていました。

 思い返せば、しこり以外にも、疲れやすくなったなと感じていました。当時、中学生の息子と昆虫の調査で山登りに行くと、思うように体が動かなかったり、それまで登山で息子に置いていかれることはなかったのに、体力で逆転されることがあったのです。

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