人の目では不可能 AIによる内視鏡で大腸がんを確実に発見

本システムを実際の内視鏡検査環境で用いた臨床試験の様子(慈恵会医大付属病院内視鏡室=炭山教授提供)

 しかも、大腸内視鏡検査では、静止画像をじっくりと観察するのではなく、動画の中から病変を見つけ出していかなくてはならない。医師の経験値、手技の差もある。

「つまり大腸内視鏡検査では、どんなに優れた医師でも見落としをゼロにすることは困難。そのためにも、定期的に大腸内視鏡検査を行っていただくことが重要です」

 しかし、発見率は高いほどいいことは間違いない。世界的医学雑誌ニューイングランドジャーナルに発表された論文によると、大腸内視鏡検査を行う医師の腫瘍性ポリープ発見率が1%上昇すると、将来の大腸がんが3%減少するという。

「そこで約2年前から、従来使用されているさまざまな内視鏡システムに対応が可能な人工知能技術(AI)による大腸内視鏡検査支援システムの開発に取り組んできたのです」

■検出感度98%、陽性的中率91・2%

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