“冬血圧”に要注意…夏より10以上高い人は心筋梗塞リスク大

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 高血圧患者2787人のうち、冬に血圧が上昇する群を①低変動②中変動③高変動に分け、心血管イベントを調べた。

 すると、高変動群は低・中変動群と比べて、無イベント生存率が低かった。高変動は通常より大きな変動を示す群で、収縮期血圧9・1㎜Hg以上、拡張期血圧4・5㎜Hg以上だった。

 さらに、前出の高血圧患者2787人のうち、本来は血圧が下がる夏に逆に血圧が上昇する逆転変動群も調べると、高変動群と同様、低・中変動群と比べて無イベント生存率が低かった。

 治療開始前後の血圧値で補正した心血管イベントのリスクは、低変動群を基準とすると、高変動群で約2倍、逆転変動群で約3倍だった。

「血圧の変動が大きい人は、動脈硬化が進行していることが考えられます。血管が硬いため、寒さなどの刺激による影響を受けやすいのです。だから、心筋梗塞など心血管イベントのリスクが増す。高齢者や、動脈硬化を進行させる糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を抱えている人は、特に季節で変動する血圧に要注意です。夏と同じ薬では血圧コントロールができない可能性があります」

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