よく「第二の人生」と言います。定年後の悠々自適な生活を思い浮かべる人も多いことでしょう。しかしこれからは、本当の意味で人生が2回分になると考えるべきなのです。仮に65歳で退職しても、その先まだ25年から30年、ひょっとすると40年も寿命が残っているのですから。
この2回目の人生を、経済的に困窮せずに暮らしていくためには、やはりできるだけ長く働いて、自分で稼ぐしかないでしょう。いまから貯金といっても限界がありますし、投資などで儲けられるのは一握りに過ぎません。しかも若い世代は減る一方なのですから、彼らにぶら下がるには限界があります。
体力的に、若者と同じように働けないのは言うまでもありません。しかしこれから60代を迎える人の多くは、子育てが終わり、住宅ローンもほぼ終わっています。40代、50代のときと同じ金額を稼ぐ必要はありません。夫婦2人、いまある貯金や退職金と、少ない年金と、あとは仕事で小金を稼いで、できるだけ長く楽しく暮らせるように、工夫すればいいわけです。
そのためにもっとも大切なのは、健康を維持し続けることです。また、その点をもっとも不安視している人も多いはずです。次回の連載では、この問題を取り上げてみようと思います。
1年間で0.18歳延びる 実用的な「平均寿命」とは
- 2019年01月17日
男性9年、女性は12年以上…不健康期間は延びているのか?
- 2019年01月29日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。