病み患いのモトを断つ

重要なのは発症2日目 インフル重症化「命を左右する」対応

無理して出社しない(C)日刊ゲンダイ

 しかし、ワクチンを接種していない人がインフルに感染しても、米良さんのように高熱にならないことがある。風邪かインフルか迷うだろう。

「糖尿病やがん、呼吸器系などの持病がある人は、たとえ熱が低くても、免疫力が低く、肺炎を併発しやすい。受診が無難です」

 インフルエンザから生じる肺炎は、インフルそのものが悪さをしているケースもあれば、別の細菌やウイルスが混合感染しているケースもあるという。

「混合感染で一番怖いのは、肺炎球菌です。高齢者は、5年に1回、肺炎球菌ワクチンを接種しておくといいでしょう」

 それでも、ちょっとした対応のまずさが、命を左右することがある。重要なのは、インフル発症2日目だという。

「一般に治療でインフルエンザの熱が下がって再び上昇するのは、インフルエンザから2次的に肺炎を起こしたときの典型的な症状。それが発症2日目です。すぐに受診してください」

 インフルによる肺炎で命を落とすのは、乳幼児と高齢者で6割。子供や親の解熱が進むと、ホッとするだろうが、気が緩んだ瞬間、上がり始めたら、「少し様子を見てみよう」ではダメなのだ。インフル社員に出社を強要するブラック企業は論外だが、重症化を防ぐ知恵はしっかりと頭に入れておこう。

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