10~14歳が発症する1型糖尿病に新薬が 気になる注意点は?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そこで、SGLT2阻害薬の登場だ。この薬は血糖低下のほか、体重減少、血圧低下、HDL(善玉)コレステロール増加、中性脂肪低下など2型の病態を統合的に改善することが分かっている。1型にも同様の効果があるのではないかと考えられ、1型対象の臨床試験が行われた。それによると、SGLT2阻害薬はプラセボ(偽薬)に比べて、HbA1cと空腹時血糖値をより下げ、併用総インスリンの1日の投与単位数も減らせた。

■体重も減少

 また、1型はインスリン治療を受けていても体重が徐々に増加することが指摘されていたが、SGLT2阻害薬を投与すると、プラセボ群より有意な体重の減少が見られた。

 さらに、長期投与試験では、1年間にわたり、HbA1cの改善効果を維持できることが確認された。

「ただし、1型でSGLT2阻害薬を使う場合、特に注意すべき点があります。この薬はインスリンに併用して使うのですが、インスリンを減量しないと低血糖のリスクが高まる。ところが、インスリンを減量しすぎると極度のインスリン不足で血液が酸性になり、体の異常が起こるケトアシドーシスのリスクが高まるのです」

3 / 4 ページ

関連記事