性感染症最前線

淋菌<1>男性感染者の95%に症状が出る性感染症の「王様」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「潜伏期間が短く症状の激しい淋病は、尿道炎の原因菌ではボス的な存在。クラミジアも感染している場合、ボスがいる間はおとなしくしています。そして、治療で淋菌がいなくなると、『次は俺の出番』とクラミジアの症状が出てくるのです。このような淋菌治療後の非淋菌性尿道炎が30%くらいみられます」

 専門医であれば両方の遺伝子検査をしておき、淋菌(注射)とクラミジア(服薬)の治療を一緒に行うという。淋病の治療に注射薬を使うのは、服薬に対する耐性菌が多いためだ。

 ただし、ここまでの話は男性の淋菌性尿道炎のケース。女性の場合では淋菌の多くは尿道でなく、子宮頚管に感染する。そのため症状(淋菌性子宮頚管炎)が出る人の割合は、クラミジアと同じで20~30%程度。症状は、膿性のおりもの、不正出血、下腹部痛だが軽いので気づきにくい。

「女性の淋菌性尿道炎も尿道口から排膿があり、排尿時痛もあります。女性に多い膀胱炎との違いは、排尿中のいつ痛いか。膀胱炎はオシッコが終わるとき、尿道炎はし始めに痛みが出ます」

2 / 2 ページ

関連記事