患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

運動で血糖値低下し捕食 体重維持の目的がかえって太る

ふと、間食したくなっても…(C)PIXTA

 病歴15年、1型糖尿病患者であることにもすっかり慣れたとはいえ、「本当に不便だな」と思うことは今でも折々にある。

 たとえば、ふと気が向いたときに間食をするというのが難しい。お祭りなどの屋台で目についたものを気ままにつまみ食いするのもそうだ。

 もちろん、その都度血糖値を測ってしかるべき量のインスリンを打てば、できなくもないのだが、食事以外の飲食に対するインスリンの適正な量をとっさに見定めるのは、言うほど簡単ではない。たいていは打ちすぎてしまって、あとでさらに補食をする羽目になる。

 運動も厄介だ。僕はもう7年間も、日課として6キロのランニングを続けている。1型患者の場合、運動をしたところで症状が改善されるわけではないから、これは治療のためというより体重コントロールと運動不足解消のためだ。

 しかし、激しい運動をすれば、当然血糖値はぐっと下がる。ランニング後に低血糖に陥って補食するなど日常茶飯事だし、低血糖を避けるために事前に適量補食しておく場合もある。結果として摂取カロリー量が見込みより増え、かえって体重が増加してしまうという本末転倒な結果になることすらある。膵臓がまともに機能している人は、こんな苦労とは無縁なのだなと思うと、今さらながらうらやましい気持ちにもなる。

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平山瑞穂

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

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