独白 愉快な“病人”たち

手術11時間から生還 海援隊・中牟田俊男さん食道がん語る

ミュージシャン「海援隊」の中牟田俊男さん(C)日刊ゲンダイ

 紹介された病院が自宅から遠かったので、福岡で開業医をしている友達に電話で事情を説明して、「うちの近くで、いい病院を探してくれ」と伝えると、2~3時間で「東京ならここがいい」と執刀医まで探して連絡をくれたんです。すぐその病院へ電話して検査をしたら、「どうしても開腹手術になりそうだ」と言われてしまいました。

「がんのステージはⅠ」と言われたのは手術直前でした。でも、食道がんは転移しやすい部位らしく、軽くても重くても手術はほとんど同じみたいです。がんがあるのは食道の一部にほんのちょっとなのに、全摘でした。胃に近い食道だったので胃の一部も取り、リンパ節もごっそりです。

 当初は、食道の代用として小腸の一部を取ってツギハギする計画だったのですが、結局、胃をグーッと引っ張り上げて喉の方とつなぐ、昔ながらの手術になりました。小腸をつなげてはみたものの、腸の血の流れが悪くて「これじゃダメだ」ってなったようです。「つなぎました↓ダメでした↓また取りました」となったものですから、8時間だった手術予定が11時間になっていました。ボクは眠っているだけでしたけど……。

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