後悔しない認知症

男性ホルモンが関係 認知症対策としての「色ボケ」の効能

高齢の女性が元気なのは理由がある(C)PIXTA

「うちのオヤジ、色ボケでしょうか?」

 50代半ばの知人が嘆く。とはいっても、その表情から深刻さはうかがえない。聞けば、かなりセクシー度の高いキャバクラで78歳の父親と遭遇したというのである。彼の父親は一瞬、息子の顔を認めたものの、何事もなかったかのように女性たちとの戯れを続けたとか。彼は「枯れない父親」の姿にいくらかあきれつつも、同じ男としてエールを送りたくなったというのだ。

「男性ホルモンが旺盛で、結構なことじゃないですか」

 私はそんな言葉を返したが、誤解しないでほしい。男性ホルモンというとすぐに「セックス」に結びつける向きがあるが、決してそうではない。近年の研究では、男性ホルモンがポジティブな生き方と密接に関係していることがわかってきている。男性にかぎったことではない。その研究によれば、被験者の女性に男性ホルモンのジェルを塗ると、塗る前に比べて明らかに行動に変化が生じたというのである。「ボランティアをやりたい」とか、災害時に「寄付をしたい」という人の割合が増したというのだ。

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和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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