これで認知症介護は怖くない

「がんで死ぬのはいいが、認知症だけはなりたくなかった」

日本では重度のイメージが先入観になっている(C)日刊ゲンダイ

 引きこもりは症状の進行を早める。中には数年で正常な会話ができなくなった人もいるだろう。症状が進めば、家族は介護に手があまるようになり、どうにもならなくなって精神病院に駆け込んだ。世間の人が認知症の人を目にするのはこの時で、これが日本人の認知症観になっていったのだ。

 つい最近のこと、ある当事者から「がんで死ぬのはいいが、認知症だけはなりたくなかった」と言われたことがある。認知症は今でも「恥ずかしい病気」なのである。

 ところが2003年から早期発見が言われるようになった。アルツハイマー型の初期なら、ちょっと記憶が悪いぐらいで、工夫すれば普通の生活が送れるのに、重度のイメージが先入観になっているから、「何も分からなくなった」と誤解してしまう。この誤解が介護を難しくしているのだ。大切なことは、本人の立場に立って、本人が何を望んでいるかを知ることだろう。

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