性感染症最前線

A型肝炎<1>性交で感染するがコンドームでは予防できない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 A型肝炎は急性肝炎で、B型やC型肝炎と違って慢性化することはほとんどない。感染から症状が出るまでの潜伏期間は2~7週間で、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐などが起こる。加えて、皮膚や目の白い部分が黄色くなる「黄疸」が表れるのも特徴だ。

 治療法は、抗ウイルス薬などの特効薬はなく、基本的には入院して対症療法を行いながら、1カ月ほど安静にしていればほとんどは自然回復する。ただし、まれ(0.5%前後)に高率で死に至る劇症肝炎に移行する危険性がある。高齢者や腎臓が悪い人、糖尿病の人などは注意が必要だ。

「幼児がHAVに感染しても症状がないか軽症の場合がほとんどです。一度感染すると終生免疫ができて再感染することはありません。A型肝炎は戦前は日本でも常在化していたので、団塊の世代(1947~49年生まれ)より前に生まれた人は、ほとんど免疫を持っています。免疫を持たない中高年者が感染して発症すると重症化しやすいのです」

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