後悔しない認知症

注目されている「認知症カフェ」の有効活用術

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 認知症の高齢者を抱えた家族は、そこに集まる医療従事者やケアマネジャー、介護ヘルパー、各自治体の「認知症地域支援推進員」からの指導や情報も得られる。さらに、健常者と認知症患者、またその家族が交流することで認知症の正しい理解、家族間での情報交換などを図る場ともなっている。

「認知症カフェ」の多くはNPO法人によって運営されているが、参加費も数百円程度で安く、お茶とお菓子が用意されていて参加者は3時間程度、談笑やレクリエーションの時間を楽しむことができる。認知症の人がカフェの手伝いをするケースもある。もちろん、通常のカフェと同様、出入りは自由だ。

 こうした場で認知症の人同士が会話を交わしたり、家族同士が悩みを打ち明け合ったり、自宅介護の知恵を教え合ったりすることも可能だ。認知症の人にとっては、ある意味で「認知症仲間」として本音でコミュニケーションができるし、気晴らしにもなる。家族もまた同様に「介護仲間」として交流することで有益な情報を得る機会になり得るし、同じ悩みを共有することで心理的負担の軽減も図れる。

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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