東大医学部卒の教授が語る 5年後治る病気・死ななくなる患者

2019年から「がんゲノム医療」が始まった(C)日刊ゲンダイ

■劇的に治癒率が上がる可能性がある「がん」とは

 これからのがん患者はこうした革新的ながん治療法に加えて、この先数年で出てくるさらに進んだがん治療法が使えるようになる。

「がん細胞に感染して自己増殖し、がん細胞を溶解させてしまう特殊なウイルスを使った薬や、設備が安価でどの病院にも導入しやすく、副作用も少ない世界的に注目される光免疫療法なども登場しそうです。新たなマーカーによる早期がん発見の血液検査、AIの特長をフル活用し、革新的進化が今後予想される画像診断、人の手が入りづらい場所でも正確に手術できる『ダヴィンチ』に代表されるロボット手術も確実に進歩するでしょう」

 転移がんについても近年非常に多くのことがわかってきているという。

「転移巣は、がんが最初にできた原発巣と同じ性質だと考えて行われてきました。それ自体は間違いないのですが、だとしたら、転移しても生き残る人と亡くなる人がいるのは不思議です。転移がんには、未知の特徴があるのではないか、という発想による研究が急速に進んでいます。これに関与するのが、エクソソームです」

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