一方、新型コロナウイルス感染などで病原体が血液の中に入り敗血症という病気になると、組織因子が活性化され、小さな血栓があちこちにできます。凝固因子は消耗されるので、出血しやすくなります。これが播種性血管内凝固症候群(DIC)といわれるショックや死に至る重篤な病気です。
このような第一次、続く第二次止血の機能が働き、出血から体を守ることができるのです。ちなみに凝固遺伝子の異常によって、第Ⅷ因子や第XI因子がなかったり活性が下がったりして止血作用を失うのが血友病です。ロシアの最後の皇帝ニコライ2世(1868~1918年)の子供で革命時に銃殺されたアレクセイ皇太子は生涯、この病気に苦しみました。
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血管・血液を知る