孫の顔が見えなくなる…「加齢黄斑変性」の知られざる怖さ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「喫煙者や、家系に加齢黄斑変性の患者さんがいる場合、発症リスクが高くなります。しかし、加齢が最大のリスク要因であることを考えると、年を取ればだれでも発症する可能性があります」(小椋医師=以下同)

■片目でチェックしないと早期発見は困難

 加齢黄斑変性には2つのタイプがある。1つは「滲出型」で、脈絡膜という部分から新生血管(異常な血管)が発生し、それらが破れて出血したり、血液中の成分が漏れ出すタイプ。

 滲出型であれば、新生血管の成長を活発化させる物質VEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える薬「VEGF阻害薬」を目の中に注射する治療法がある。光に反応する薬剤を体内に注射後、レーザーをあてて新生血管を退縮させる治療法を組み合わせるケースもある。

「VEGF阻害薬は、最初の数カ月は1~2カ月に1回、通院で注射を打ち、その後は3~4カ月に1回など期間を置いて注射を打ちます。2年ほどで新生血管がなくなる人もいれば、4~5年かかっても注射が必要な人もいます。早く治療を開始すれば、治療期間も短くなる可能性も高い。また、最近、臨床試験では3カ月に1回の注射で従来と同様の効果をもたらす新薬が承認されました」

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