■治療薬の選択にも注意が必要
COPDに対する治療法は、禁煙、気管支を広げるβ2刺激薬などによる薬物療法、呼吸リハビリテーションが中心です。ただし、心不全や不整脈などの心臓疾患を併発している場合は、それらを考慮しながら両方の疾患に対する治療が必要になります。その際、注意しなければならない点もあります。たとえば、COPDと心不全の治療では、それぞれで使われる薬の作用が正反対なケースがあるのです。
COPDでは、先ほど挙げたように交感神経を刺激して気管支を広げるβ2刺激薬が使われます。一方の心不全は、利尿剤のほかに血圧や心拍数を抑えて心臓の働きを休め、心機能を保護するβ遮断薬が多く用いられます。ただ、β遮断薬には気道を狭くする作用があり、気道けいれんを誘発する可能性があるためCOPDの患者さんへの使用は一般的に禁忌とされています。
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