Dr.中川 がんサバイバーの知恵

手術延期続々 放射線治療を考えるがんの種類とタイミング

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 でも、放射線治療はどうなのか。女優の岡江久美子さんが63歳の若さで新型コロナによる肺炎で亡くなったとき、放射線治療による免疫力の低下が取りざたされました。読者の中には、その関係を不安視される方がいるかもしれません。

 その点について日本放射線腫瘍学会は「早期乳がん手術後に行われる放射線治療は、体への侵襲が少なく、免疫機能の低下はほとんどありません」と表明。一般的な放射線治療についても、「からだの免疫力が大きく低下するようなことはほとんどありません」としています。ぜひ安心して主治医に相談してください。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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