京大ウイルス学者が語る新型コロナ「ファクターX」の正体

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実は下痢便の中に、コロナウイルス様粒子が電子顕微鏡下で観察されることは古くから知られている。しかし、これらは詳しく調べられてこなかったのである。

 この「ヒト腸コロナウイルス」のように私たちが知らない、未知のコロナウイルスが過去にヒトに感染している可能性はあるのだろうか? 私はその可能性は大いにあると考えている。

 最近、富士レビオで開発・販売開始された新型コロナウイルスの抗原検査キットでは、国内臨床検体(鼻咽頭ぬぐい液)で、擬陽性(抗原検査陽性・RT―PCR検査陰性)が2%(45例中1例)発生するという結果が得られている。

 この検査キットは、SARSコロナウイルスも検出するが、SARSコロナウイルスは2004年以降発見されていないので、検査キットがSARSコロナウイルスを検出した結果、擬陽性となったとは考えにくい。

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